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「創作怪異発表会」 審査員賞受賞作品

名前:虚花うろばな

概要

  • イネ科ススキ属のススキに極めて類似した形状をしており、光源が乏しく、人気の少ない場所に多く存在している。

 

  • 人の認知に応じてその姿を変貌させるという異常性を持っており、それによって自由に動き回れる実体を入手することで、生息域を広めていると考えられる。

 

  • 虚花が変身した実体は皆一様に人間に対して威嚇的な態度を取る。このように、人の認知を必要としながらも、人を遠ざけるような一連の矛盾した生態は虚花のもう一つの異常性に起因する。

 

  • 虚花は一度でも本来の姿、ススキに極めて類似した形態を人間に視認されると、その時点で変身能力を永久的に失い、極めて繁殖能力が低いという一点を除いて、ススキと同一な植物に変化する。

 

  • 変身能力を失った虚花が繁殖することは先ず不可能であり、その多くが子孫を残すことなく、虚しく枯れ果てる。

 

  • 人口の増加と科学技術の発展によって人の目の届く範囲が広がった現代では、その個体数は著しく減少し、一説では既に絶滅したのではないかとも言われている。