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私たちが見ている世界は実は桃源郷なのかもしれない…

水槽の中の脳

皆さんは、「水槽の中の脳」という思考実験をご存じですか?

哲学の世界で議論の的となることも多い思考実験で、「私たちが体験していると感じているこの世界は、実は水槽の中に浮かべられた脳が見ている幻想に過ぎないのではないだろうか?」という仮説です。

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水槽の中に浮かべた脳に電極を繋げて夢を見せてみたとしたら、脳はそれを現実世界として認識するだろう。もしかしたら私たちが現実だと思って見ているこの世界も同じように電極を通じて見せられている夢なのかもしれない。そうでないことを完全に証明することはできない!

もしも本当に私たちが見ているこの世界が、脳にぶっ刺した電極を通じて見せられている夢なのだとしたら、私自身の意識以外は全て、苦手な人も、好きな食べ物の味も、走った後の疲労感や筋肉痛も、学校で習った内容も、全てが本当は存在しているのかすらも分からない幻覚なのだということになってしまいます。
勝手に脳内に生成された自我を持たないものたちのために日々感情を揺さぶられ、一喜一憂しているなんて馬鹿みたいですね。

現実にしか見えない夢の世界

世にも奇妙な物語」でも、確かそんな話があったような気がします。特殊なカプセルの中で眠ると、自分の見ていたい夢をいつまでも見続けることができる。夢をかなえたり、好きな人と一緒にいることができたり、カプセルの中で眠っているうちは恐ろしいほど何でも自分の思い通りになる。そして眠っている間はそれが現実世界の出来事なのだと信じ込み、幻想なのだとは気づかない。
皆さんは、そんな自分の思い通りなんだけれども、自分の意識以外は実は本質を伴っていない世界を、どう思いますか?
私は、やっぱり嫌だなと思います。中身があるのは自分だけで、後は空っぽの世界というのはいくら楽しくてもやはり、嫌ですね。自分と他者、あるいは自分と世界とが、相互的に楽しんだり、考えたりすることができるからこそ、この世界に生きる意義を見出せるのではないかと思います。

引き寄せの法則とか言霊ってもしかして…

しかし、前述したように、この世界が幻想であることを、否定することはできないのです。恐ろしいですが、何ならその可能性もそこそこあるのではないかと最近私は思っています。

というのも、最近なんかスピリチュアル系の人とかが、引き寄せの法則がどうたらこうたらとか言っていますよね。
分からない方のために簡単に説明すると、引き寄せの法則とは、「自分が思い込んだことが本当になる」という法則のことです。「○○が欲しい!」という願望を、願望として抱くのではなく、「私は○○を持っている」という風に願望が達成された状況を今の現実として思い込むことで、世界は変化して本当にその通りになるのだというものです。本当なの?と疑ってしまいたくなりますよね。
私は個人的に、スピリチュアル系の話については本当っぽいなあと思う部分とちょっと胡散臭いなあと思う部分があるので、完全に信じているわけでも否定しているわけでもなく、引き寄せの法則についても半信半疑でした。
しかし、調べてみると「思い込んだことが現実になる」に近い話は、引き寄せの法則に限らず、結構あるんですよね。例えば日本で昔から言われている言霊なんかは、話した言葉が現実になるというものですよね。そして、驚くことに運の強さには根拠の有無に関わらない本人の自信と相関性があるという研究もあるようです。そう考えると、「思い込んだことが現実になる」というのもあながちあり得るのではないかと思えてくるんですよね。

でも、よく考えてみてください。「思い込んだことが現実になる」というのは、もう夢の世界みたいなものではないですか?自分の思い通りにすることが本当にできてしまったら、それは自分にとって究極に都合の良い世界、桃源郷であり、それをできてしまった瞬間に私はこの世界が幻覚なのだということを理解してしまいそうな気がして、とても怖いのです。
引き寄せの法則みたいなものに対する研究が進んでそれが証明されたら、この世界が幻覚であることも証明されてしまいそうです。そしてそれが近い未来に起こりそうな気がするのです。
それって、とても怖いことだと思いませんか?(ものすごく分かりにくい文章で申し訳ございません)
皆さんは、どう考えますか?

会長のどうでもいいボヤキにここまで付き合っていただき、ありがとうございました。
これからもたまにボヤいていこうと思いますのでよろしくお願いします。

(執筆:会長内害)